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目次
1.社団法人 静岡県トラック協会とは
2.なたねBDFへの取り組み
3.Backstage Interview
なたねBDFで、みんなから愛されるトラックを目指す
社団法人 静岡県トラック協会 環境対策委員長 西村 登氏
適正化事業部長 窪田智樹氏
4.菜の花プロジェクトとは
5.なたねBDFアルバム
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1.社団法人 静岡県トラック協会とは
社団法人静岡県トラック協会は、県下に9つの支部をもち、約1412社の会員を擁する運輸省(現国土交通省)認可団体です。トラック運送業界の抱える課題に積極的に取り組むとともに、より質の高い輸送サービスを提供するため、交通安全や環境対策、情報化などに力を入れています。
環境への取り組みとしては、1997年5月に「環境保全に関する宣言」を採択。大気汚染・騒音の低減や輸送の効率化、省エネルギー活動、環境保全への意識高揚などに鋭意取り組む決意を明らかにするとともに、環境対策委員会を設置し、次のような活動を展開しています。
1)アイドリング・ストップ運動
エコドライブの方法について研修会を通じてアピールするとともに、アイドリング・ストップ運動の一層の推進を図るため、仮眠用の蓄熱(蓄冷)式ウォームマットの購入を補助。
2)排ガス最新規制適合車への代替推進
排出ガス規制最新基準適合車への代替を推進するため、「特定自動車排出規準適合車等への代替資金融資」を実施。
3)低公害車導入促進助成(貨物トラック)
天然ガス、ハイブリッド、超低PM自動車等の低公害貨物自動車を導入する場合の費用(リース料)の一部、ならびに買取車両に対する改造費を助成。
4)環境保全活動
国道等における駐車帯や中央分離帯の環境整備活動、エコドライブコンテスト、なたねBDF(バイオディーゼル燃料)の実用化に向けた研究などを実施。
2.なたねBDFへの取り組み
- 2001年
- 京都大学の田端英雄教授を招き、掛川市で講演会を開催。参加者250人
- 「第1回菜の花サミット」に参加。協会員53人出席(以降、毎年参加)
- 2002年
- 「第1回菜の花コンサート」開催(全国初)。参加者800人
- 各地への現地査察と調整を行う
- 11.6haに菜の花を栽培。菜種6トンを収穫し、2200リットルのBDFに精製
- 農業水産部へ中間まとめと報告を行う
- なたねBDFによる走行試験:4t車を使い3種の燃料で実施
(1)軽油100%
(2)8:2(軽油:廃食油)
(3)8:2(軽油:なたねBDF)(〜03年1月)
- 2003年
- 「菜の花シンポジウムIN南伊豆」に出席
- 走行試験成果報告書を完成
- 「第2回菜の花コンサート」開催。参加者1600人
- 「静岡県菜の花資源循環システム推進協議会」設立に参加
- 「しずおか環境・森林フェア」に出展(以降、毎年出展)
- 農水省関東農政局地方振興課にて講演
- なたねBDFによる走行試験:11t車を使い、8:2(軽油:なたねBDF)で2カ月間実施
- 国際連合大学校にて講演
- 2004年
- 『そだててあそぼうナタネの絵本』を、静岡県下の小学校および市町村教育委員会に618冊贈呈
- 走行試験成果報告書を完成
- 「菜の花学会・楽会 IN大東町」開催(全国初)。全国各地から2500人が参加。県知事をはじめ、関係者多数出席。併せて「第3回菜の花コンサート」開催
- 「浜名湖花博」の県ブースにて、なたねBDF関連パネルを展示
- 「第5回物流環境大賞」物流環境特別賞を受賞
- なたねBDFによる走行試験:トレーラーを使い、9.5:0.5(軽油:なたねBDF)で実施
- 2005年
- 「第4回菜の花コンサート」開催
- 「平成17年度第10回新エネ大賞新エネルギー財団会長賞」受賞
- 静岡県トラック協会が取り組む「なたねBDF」がNHK総合テレビで紹介される
- なたねBDFによる走行試験:大型車を使い、なたねBDF100%で実施(全国初)
3.Back Stage Interview
なたねBDFで、みんなから愛されるトラックを目指す
社団法人 静岡県トラック協会 環境対策委員長 西村 登氏
適正化事業部長 窪田智樹氏
●環境を無視してはトラック業界は成り立たない
かつてトラック業界においては、お客様からお預かりした品物をいかに安全にお届けするか、つまり安全輸送が一番のテーマでした。ところが、ダイオキシンや光化学スモッグなど大気汚染が深刻になり、ディーゼル車の排気ガスが問題視されるようになってきました。
私たちが環境対策に本格的に取り組むようになったのは、1997年に地球温暖化防止京都会議が開かれた頃です。99年7月には、石原都知事がペットボトルの中に煤をいれて「これが東京都の排気ガスの元凶である」と宣言し、テレビ・新聞などで大々的に報道されました。トラック運送業界は物流輸送の90%強を担っており、静岡県には国道一号線と東名高速道路という日本の大動脈が2本通っています。しかも、当協会会員のトラックの75%は東京、関東方面に走っている……。これは大変な時代になる。これからは環境を無視しては業界は成り立たないということを痛感しました。
それからは早朝に出社して新聞や専門書で勉強する毎日です。ガソリン車とディーゼル車の違い、エンジンのこと、燃料のこと。調べてみると、ディーゼルエンジンというのはドイツ人のルドルフ・ディーゼルという人が開発し、当時は100%ピーナツオイルで動いていたそうですね。そこにヒントを得た。自動車メーカーではないので、エンジンの開発はできないけど、燃料なら何とかなるかなと。ちょうどその頃、ドイツでは遊休農地に菜の花を植え、菜種から搾った油が燃料(なたねBDF)として実用化されているのを知りました。これなら日本にも合うのではないかと、大学の先生を招いて講演会を開きました。
●農家を回って菜の花栽培を依頼
とにかく原料がなくては何も始まりませんから、役場の農林課や農協、あるいは昔菜種の栽培を熱心にやっていた農家を訪ね、菜の花を栽培してもらえないかとお願いして歩きました。「いまさら菜種なんかやっても金にもならん」「菜種油でトラックを動かすなんて、ふざけるにもほどがある」。最初はどこへ行ってもそうでしたね。そんななか、自宅の近くの人から14、5人で菜種を作るから手伝わないかというお話をいただきました。喜び勇んで行きましたが、農業なんてやったことがないので、とにかく雑役を一生懸命やりました。1反30キロぐらいしか収穫できなかったけれど、うれしかった。感激しました。黒い菜種の粒を見ながら「これがバイオ燃料の元になるのだ」とつぶやいていると、周囲の人に「何をぶつぶつ言っているんだ」と笑われて(笑)。
翌年(02年)からは地元大東町の農業法人「大東農産」や磐田市・焼津市で活動する民間団体「稲作研究会」の協力を得て、11.6haの水田で菜の花の栽培ができるようになりました(菜種6トンを収穫し、2200リットルのなたねBDF原油に精製)。菜種は滋賀県愛知川町にある「愛知食油」で油を搾ってもらい、これを静岡県竜洋町の「東海ケミカル」で純正のBDFに仕上げます。油が含む脂肪層を除去し、粘度が低いサラサラの油にするわけです。これをエステル化といいます。
●なたねBDF100%は燃費もいい
走行試験は、02年に4t車で、3種類の燃料で比較実験を行いました。第1が軽油100%、第2が8:2(軽油:廃食油)、そして第3が8:2(軽油:なたねBDF)です。結果分析を滋賀県立工業大学の山根先生にお願いしたところ、廃食油よりもなたねBDFの方が優れていました。翌年は大型トラックで、8:2(軽油:なたねBDF)で2カ月走らせました。04年は軽油の硫黄分が減ってきたので、9.5:0.5(軽油:なたねBDF)で実験。実は税制上の問題で、軽油の中に混ぜると軽油引取税がかかってしまいます。これは試験だから免税にしてほしいと県の財務局にお願いしましたが、混合物の軽油引取税を支払うことになりました。
また、昨年11月には大型車で、なたねBDF100%を使った走行実験を、全国で初めて実施。その結果、軽油1リットル当たりの走行は3〜3.5キロであるのに対し、なたねBDF100%は最高5.88キロ、軽油の2倍近い数値です。
酸化触媒装置をつけて東京の空気が3割きれいになったといわれています。だったら、BDFならもっときれいになるんじゃないか。これは国を挙げての環境政策、エネルギー政策ですよ。土を掘っても油が出てくるわけじゃない。だから水田に菜種を栽培して、ここを燃料タンクにしてくれと。菜種を中心に、大豆でもひまわりでも、資源エネルギー作物として政府ははっきり位置づけする必要がある。そういう国家プロジェクトをエネルギー対策に中に取り込んでほしい。そうでないと全国展開は難しいと思います。
●地域ぐるみで環境問題に取り組むための試み
私たちの取り組みを広く知っていただく一つの方法として、02年から「菜の花コンサート」を開いています。地元の保育園、小中学校、高校、大人まで巻き込んで、太鼓や合唱、吹奏楽などのコンサートを行います。これが、04年には「菜の花学会(楽会)」となり、県知事や農業委員、養蜂農家、菜の花プロジェクトのメンバー、バイオ燃料に取り組んでいる高校生など、全国から2500人の方が参加してくれました。
また、身近な地域ぐるみで環境問題に取り組むため、静岡県下の全小学校に『そだててあそぼうナタネの絵本』と菜の花の種を配付し、学校で菜種の栽培に取り組んでほしいとアピールしています。
なたねBDF100%で走るとなると、原料をどこで確保するかというかという問題に直面します。協会として今後どういう方向に進むか非常に難しい時期にきていますが、これからも自分たちで今できることに積極的に取り組み、行動を起こしていきたいと思っています。
【参考】軽油の硫黄分含有量削減の推移
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| 1953〜76年 |
1万2000ppm |
| 1976〜92年10月 |
5000ppm |
| 1992〜97年10月 |
2000ppm |
| 1997〜03年04月 |
500ppm |
| 2003年〜 |
50ppm |
| 2005年〜 |
10ppm |
4.菜の花プロジェクトとは
菜の花プロジェクトは、30年ほど前、滋賀県琵琶湖の水質汚染を防止するために主婦を中心に始まった、合成洗剤の代わりにせっけんを使う「せっけん運動」、そして家庭から出る廃食油を回収してせっけんにリサイクルする「廃食油回収活動」に端を発します。
その後、無リン合成洗剤の登場で、せっけんの使用率が急激に低下。一方で、廃食油の回収量は増大。せっけんづくりに代わる、廃食油の新しいリサイクルの仕組みづくりに迫られることとなりました。そんな時、彼女たちが出合ったのがドイツでの「なたね油プログラム」です。ドイツでは1970年代に世界を襲った石油危機を教訓に、化石燃料に頼らない、しかも温室効果の高い二酸化炭素を抑える化石代替エネルギーとして、なたね油の燃料化計画を強力に進めていました。
ドイツにおける取り組みから「エネルギーの自立に農業がかかわっている」ことを学んだ彼女らは、琵琶湖東岸の愛東町の協力を得て、生産調整で米を作れない休耕田や転作田で菜の花を栽培し始めます。これが「菜の花プロジェクト」で、その後、さまざまな自治体や市民団体によって同様の取り組みが生まれるようになりました。05年現在、全国44都道府県で97団体が、このプロジェクトに取り組んでいます。詳細は「菜の花プロジェクトネットワーク」へ。
●菜の花プロジェクトの資源循環サイクル
休耕田や転作田を活用して菜の花を栽培。菜の花は観光や養蜂などに、菜種は搾油して家庭や学校給食で食用油として利用する。搾油時に生まれる油かすは飼料や堆肥として使う。一方、家庭や学校から出た廃食油は回収して、せっけんやなたねBDFにリサイクルし、再び地域で利活用。このように資源やエネルギーが地域の中で循環する。
5.なたねBDFアルバム
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| 身体に有害なエルシン酸の含有量が少ない、なたねBDF用の品種 |
グリーン色のなたね100%BDF |
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| 100%なたねBDFによる走行試験を行う大型車両 |
100%なたねBDFを試験車両に給油
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